「鬼平犯科帳」ファイナル

中村吉右衞門が28年間の思いを語る 「鬼平犯科帳」ファイナル
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161202-00000000-sanspo-ent

佐嶋がいない
沢田もいない
彦十も
粂八も
録之助も
好きな役者が多く去ってしまっている
他にも天野、備前守巣鴨の仙右衛門さん、お熊ばあさん…
準レギュラーやゲストの方々も多く鬼籍に入られている
ナレーターの中西龍さんと仁内建之さんもだ
記事中で吉右衞門さんが上記の方々の名前をあげているが、
読んでいて胸が詰まってしまった
吉右衞門さんが製作に携わった方々をいかに大切に思っているのか伝わってくるからだ

この番組のいいところは以前から残ってる役者がそのままの役で出演している点だ
亡くなられた方についても、安易に代役を立てていない
中心に平蔵がいて
伊三次、おまさ、五郎蔵、三次郎
忠吾に村松、酒井は前任二人の演者も見たいくらいだ
これに初代の左馬之助あたりが出てきてくれれば感無量だが(笑)
江守徹さんは途中で降りているから無いとしても、
何年か前にTVで観た時はもう左馬之助役は無理だなと感じるくらいお年を召されていた
他のレギュラー陣も高齢なことは知っていたが実際に目にしてみるとショックで
よくぞここまで頑張ってくださいました、
と本当に頭が下がるような思いで胸がいっぱいになった

肝心の内容の方は、前半のゲストで出てきた若村真由美さんは流石に馴染んでいたが
谷原章介さんはダメだ、見ていて違和感がありすぎた
前に中山仁さんが演じた音吉はまさにはまり役だったので、
今回の谷原章介さんには我慢できなかった
シリーズ版と物語の内容が違うのはスペシャル版でよくあるが
この演出は好みではなかったため途中で切り上げた

後半はキャスティングについては諦めつつ最後まで観たが
カメラワークの酷さが気になった
特にわざと手ブレのシーンにしている場面
アクションシーンを誤魔化すための手法は気に食わない
過去のレギュラーシーズンがいかに丁寧に撮っていたのかが逆によくわかった

総括として過去のレギュラーと比較するような作品ではなく、
同窓会的な内容と捉えれば無理がない出来栄えなのではないだろうか、
と勝手に納得している

最後にこの番組の肝、エンディングについて書いて閉める
昔、誰かが「鬼平はエンディングが本編」と書いていたのを見て深く頷いたことがある
くらい大好きだ
子供の頃、内容にはついていけないけどこのエンディングが好きで夢中になっていた
ことを覚えている
Gipsy Kings - Inspirationは自分の音の嗜好のルーツになっている曲だ
素晴らしい音楽の背景には「こうだったらいいな」と思う日本の春夏秋冬が
ギュッと詰め込まれていて、最後まで観るのが億劫にならない
これは他の作品では殆どない
極端だが、劇中の全てがこのエンディングを盛り上げるために存在しているのでは
ないかと思うようなエピソードもあるくらいだ
それくらいこのエンディングには魅力がある

あらためてこの素晴らしい作品を世に残してくれた皆様方に深く感謝したい
そして今まで本当にお疲れ様でしたと伝えたい
それら全てを一言に込めて書き残そう

ありがとうございました!

さあ、また昔のシーズンを観るぞ(笑)


Gipsy Kings - Inspiration (Cover by Alex Maisuradze)

https://www.youtube.com/watch?v=YoDEZAllgIc